工事日誌の書き方|発注者ごとの様式と提示、1日分の記入例
公開日: 直感日報 編集部 約 8 分で読めます

公共工事の工事日誌は、様式と出し方を発注者が決めます。任意の様式で請求時に提示する発注者なら日報の紙面で残せ、指定の様式なら様式で書くため、先に様式・提示か提出か・いつの 3 点を確かめます。
この記事でわかること
- 奈良県は、土木工事請負日誌を任意の様式で作り、監督職員又は検査職員から請求があった場合に提示するとしている。対象は令和 6 年 5 月 1 日以降に起工する県土マネジメント部発注の土木工事で、それ以外の工事も協議の上で適用できる(奈良県「(令和6年5月1日以降適用)土木工事請負日誌について」・2026-10-13 確認)
- 福島県の提出書類の一覧では、工事日誌は第 32 号様式で、提出の欄が「―」、提示の欄が「○」、時期は完成検査時。根拠は共通仕様書(土木工事編)1-1-25 第 3 項(福島県「県発注工事における提出書類」・2026-10-13 確認)
- 奈良県が参考様式とした請負日誌は、1 枚に月曜から日曜までの 7 行を持ち、天候・気温・雨量・水位・作業員の職種と人数・作業の実施内容・監督職員による指示事項など特記事項を書く(奈良県(参考様式)土木工事請負日誌・2026-10-13 確認)
- 日報を印刷する直感日報の紙面は 1 件ごとに 1 日 1 枚で、見出しは会社名・題「作業日報」・日付・作成者。題は変えられず、工事名は見出しに出ないため項目として書く(直感日報の紙面の仕様・2026-10-13 確認)
工事日誌とは — 受注者が毎日つけ、様式と出し方は発注者が決める
工事日誌は、受注者が工事の天候・人員・作業を毎日書き留める記録で、どの様式で書き、いつ見せるかは発注者が決めます。
呼び名は発注者で違い、奈良県は「土木工事請負日誌」、福島県は「工事日誌」と呼んでいます。本記事では、請負日誌も工事日誌も同じ記録として扱います。
社内や元請へ毎日出す工事日報とは、読む相手が違います。日報の欄ごとの書き方と例文は、現場日報の書き方を例文で示した記事にあります。
元請が打合せと巡視を残す安全日誌も別の記録で、安全日誌の記入例の記事で扱っています。
では、自分の工事の発注者がどちらなのかは、何で確かめるのか。
発注者ごとの扱いを確かめる 3 点 — 様式・提示か提出か・いつ【表】
確かめるのは、様式の指定・提示か提出か・いつ見せるかの 3 点で、奈良県と福島県では様式と時期の答えが分かれます。
| 確かめる点 | 奈良県 | 福島県 |
|---|---|---|
| ① 様式 | 任意の様式(様式-27 は参考様式) | 第 32 号様式 |
| ② 提示か提出か | 請求があった場合に提示 | 提示(提出の欄は「―」) |
| ③ いつ | 監督職員又は検査職員より請求があったとき | 完成検査時 |
奈良県の扱いは、令和 6 年 5 月 1 日以降に起工する、県土マネジメント部発注の土木工事に適用されます(奈良県「(令和6年5月1日以降適用)土木工事請負日誌について」・2026-10-13 確認)。それ以外の工事も「協議の上、適用できる」とされているので、それより前に起工した工事などは、監督職員と協議してから残し方を決めます。
福島県の行は、共通仕様書(土木工事編)1-1-25 第 3 項に基づく書類として一覧に載っています(福島県「県発注工事における提出書類」・2026-10-13 確認)。公共工事なら日誌は必ず提出、とは限らず、2 県ともここでは提示の扱いです。
発注者ごとの扱いの調べ方は単純で、特記仕様書や提出書類の一覧、工事関係書類一覧表で同じ 3 点を探し、見つからなければ監督職員に確かめます。提出を求める発注者ならその定めに従い、任意様式で提示の扱いなら残し方を自社で選べます。
任意の様式で残せると分かったら、参考様式の欄を借りて 1 日分を書きます。
あわせて読みたい
予定工程と実施工程(%)を毎月報告する書類の書き方
1 日分の記入例と、日報の紙面で残すときの確認点
奈良県の参考様式の 1 行を 1 日分と読み替え、現場代理人が書く 1 日を工事名から備考までの 6 つの欄に書き分けます。
市が発注する道路改良工事で、下層路盤と歩車道境界ブロックの据付を進めた日を例にします。工事名と数字は架空です。
- 工事名・工事箇所 — △△線道路改良工事・△△町 3 丁目地内
- 天候・気温・雨量・水位 — 曇り・14 °C・0 mm・水位は河川がないため空欄
- 作業員の出勤状況(職種・人数) — 世話役 1 人・普通作業員 4 人・特殊運転手 2 人の計 7 人
- 作業の実施内容 — 下層路盤の敷均しと転圧 40 m、歩車道境界ブロックの据付 16 m
- 監督職員による指示事項など特記事項 — 10:30 に下層路盤の段階確認の立会。指示はブロックの通りを次回の立会で見せること
- 備考 — 翌日は上層路盤材を搬入予定。材料確認の立会は 9:00
段階確認や材料確認の予定と結果は、この例のように特記事項か備考の欄に時刻つきで書きます。雨で休工した日も、実施内容に休工と書き、受けた指示を特記事項に残します。
6 つの欄は、日報の項目で受け持てます。日付と作成者は日報に付くので、欄は要りません。
天候は施工プリセットの選択(晴れ・曇り・雨・雪)、気温・雨量・水位は 1 つの数値の項目に欄を 3 つ並べて受けます。
人数の合計は施工プリセットの「作業人員」に入れ、職種ごとの内訳は反復明細の行(職種は選択、人数は数値の列)で持ちます。実施内容は施工プリセットの「今日の作業内容」に書きます。
工事名・工事箇所と、特記事項・備考は文章の項目として足します。足したあとも、1 つのテンプレートの項目は 20 個までに収めます。
日報の紙面で残すときは、次の 4 点を先に確かめます。
- 紙面の見出しは会社名・題・日付・作成者だけで、足した項目は施工プリセットの欄より後ろに並びます。工事名を上に出すなら「今日の作業内容」の書き出しにも書き、印刷画面の並び順を「QC 重視」にします。
- 空欄のままの項目は紙面から省かれ、施工プリセットの現場写真に付けた写真は縮小して 3 枚ずつ横に並びます。
- 下に「作成者署名」「承認者署名」の線が入ります。紙面を開けるのは提出した日報で、紙面の「印刷 / PDF に保存」からブラウザの印刷画面で PDF にします。
- 参考様式は 1 枚に 1 週間分の行を持つため、1 日 1 枚の紙面とは並び方が違います。
任意の様式で日誌を作れる工事なら、6 つの欄は直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)で、施工プリセットに項目を足して受けられます。数値・明細・文章の項目を足したら、記入して提出し、提出を終えた画面の「印刷 / PDF で開く」から PDF に保存します。
発注者の様式どおりの工事書類や電子納品のデータを求められる工事では、直感日報の紙面を日誌として出せません。紙面は、自社の日報を 1 日 1 枚ずつ印刷する形に限られます。
日報が「書くのも読むのも」速くなる。スマホから 15 秒で提出。数値は設定ゼロで自動集計。クレジットカード不要で 14 日間試せます。無料で 14 日試す →400 円/人/月・最低 5 名から紙面の題を「工事日誌」に変えることはできず、1 人が 1 日に出せる日報は 1 件のため、2 件の工事の日誌を同じ日に分けて出すこともできません。
紙面と共有リンクは、組織の設定の「機能の選択」で「印刷/PDF と社外共有リンク」がオンの会社で使えます。日本の会社は、未設定ならオンです。
完成検査で工期の初日の分を見せる場合も、自分が提出した日報は「過去の日報」の月のカレンダーから日付の下限なく画面で開けます。検索で探せるのは 90 日までなので、古い分は日付から開きます。
ただし、カレンダーから開いた画面には印刷の入口がなく、「印刷 / PDF で開く」は提出を終えた画面にあります。完成検査で紙を綴じるなら、提出したその日に PDF に保存しておきます。
書き忘れた日は 7 日前の日付までさかのぼって 1 日ずつ出せ、それより前の日は出せません。
主任技術者が別に日誌を書く現場なら、書く人の日報で残します。カレンダーから開けるのは、書いた本人の分だけです。
段階確認・材料確認・打合せ簿・履行報告書とのつながり
工事日誌の特記事項の欄は、段階確認・材料確認・打合せ簿で受けた中身を、その日付で 1 行ずつ残す場所として使えます。
工種の節目で監督職員が確認する段階確認は、立会の時刻と結果を特記事項に書いておくと、確認書の日付と照らし合わせられます。確認書の欄を誰が埋めるかは、段階確認書の記入例の記事で扱っています。
搬入した材料の確認も、立会の予定と結果を同じ欄か備考に書きます。どの材料が対象になるかは、材料確認書の記入例の記事にまとめています。
監督職員の指示を打合せ簿で受けた日は、日誌にもその指示の要点を 1 行残します。指示・協議・承諾などの区分は、工事打合せ簿の区分をまとめた記事が参考になります。
毎月の工事履行報告書は、施工の進み具合を月ごとの % にまとめて出す書類です。% の出し方は工事履行報告書の書き方の記事で整理しています。
日報の紙面では足りない発注者の求め — 指定様式の枠・「工事日誌」の表題・同じ日に 2 件の工事
発注者が次のどれかを求めるなら、日報の紙面では工事日誌を兼ねられないため、発注者の様式で書きます。
- 指定の様式に、枠ごと書いて出すよう求められる(福島県の第 32 号様式のような様式)
- 表題が「工事日誌」や「請負日誌」の紙を求められる
- 参考様式のように、1 枚に 1 週間分を並べて綴じるよう求められる
- 同じ現場代理人が、同じ日に 2 件の工事の日誌を工事ごとに分けて出す
- 電子納品や、発注者が指定する情報共有システムに日誌を載せる
紙面の枠は 1 つ(選べるのは並び順の 2 通り)で題も変えられず、日報は 1 人 1 日 1 件で、電子納品のデータも作れないため、どの求めにも直感日報の紙面は合いません。
様式で書く発注者でも、その日のうちに日報へ書いておき、様式に書き写す前の控えにする使い方はできます。
報告の題や書式を相手に合わせる話は、作業報告書アプリの選び方の記事でも扱っています。
よくある質問
Q1. 民間工事にも工事日誌は要りますか?
本記事の 2 県の扱いは、どちらも県が発注する工事のものです。民間の工事では請負契約と発注者の求めで決まり、求められていなければ社内の日報で記録を続けます。
Q2. 工事日誌はいつまで保存しますか?
本記事で確かめた奈良県と福島県のページには、工事日誌を保存する期間の記述はありません。期間は、発注者の要領と契約、自社の規程で確かめます。
日報を何年残すかを法律の根拠から数える方法は、作業日報の保存期間の記事で扱っています。
Q3. 監督職員に、画面や共有リンクで見せてもよいですか?
奈良県のページは「提示」とだけ書き、見せ方までは定めていません。画面やリンクで足りるかは、監督職員に確かめます。
直感日報の社外共有リンクは、管理者とマネージャーが日報 1 件ごとに発行し、サインインなしで読めて、失効させるまで有効です。発行は印刷 / PDF の画面で行うため、見せる日報のリンクは提出の後すぐに発行しておきます。
まとめ: 次にやること
- 特記仕様書と発注者の書類一覧で、工事日誌の様式・提示か提出か・いつの 3 点を調べる
- 任意の様式なら、記入例の 6 つの欄を日報の項目に置き、自分の工事名で 1 日分を書く
- 指定の様式なら様式で書き、日報を控えにするかを決める
工事日誌をどの紙で残すかの答えは、日報の使い方ではなく、発注者が示す様式・提示か提出か・いつの 3 点の中にあります。
工期の終わりに日誌をまとめて書き起こすと、その日の天候や人数を写真やメモを頼りに埋め直すことになります。
書類一覧の時期が「完成検査時」でも、日誌そのものは工事の初日から 1 日ずつ書きためる記録です。
様式を任される工事なら、直感日報で毎日提出した日報を日誌とし、紙で綴じる分は提出したその日に PDF へ保存します。
関連記事
工期の初日からの日誌を、月のカレンダーで開き直せる。自分が出した日報は日付の下限なく画面で開け、PDF にするのは提出を終えた画面からです。無料で 14 日試す →クレジットカード不要・400 円/人/月・最低 5 名から
※ 記入例の工事名・場所・人数・時刻は架空の例です。発注者の扱いは奈良県・福島県の 2026 年 10 月 13 日時点の公開資料によるもので、実際の工事では契約書・特記仕様書と監督職員の指示に従ってください。製品の機能は、同日時点で確かめた直感日報の仕様です。
よく読まれている記事
この記事について
直感日報 編集部
現場チーム向け日報サービス「直感日報」の運営チームが編集しています。記事中の統計・制度情報はすべて発行元を明記した公開資料に基づき、掲載前に一次ページを確認しています。


