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工事履行報告書の書き方|記入例と実施工程(出来高%)の算出

公開日:  最終更新日:  直感日報 編集部

工事履行報告書の書き方|記入例と実施工程(出来高%)の算出

工事履行報告書は、予定工程と実施工程(%)を毎月発注者へ報告する契約書類です。実施工程の % は月末に思い出して書ける数字ではなく、日々の実績記録の積み上げでしか出せません。

この記事でわかること
- 報告の根拠は約款第 11 条。様式・頻度・期限は発注者の設計図書で決まる
- 記載は工事名・工期・報告月・予定工程%・実施工程%・備考の 6 項目
- 実施工程 % は工種ごとの進捗に全体構成比を掛けて合計した値
- 添付資料は不要でも、求めがあれば出来高内訳の提示が要る(中部地整 要領)
- 中間前払金の認定条件に「実施工程の報告が 50% 以上」(東近江市の例)

工事履行報告書とは — 予定工程と実施工程(%)を毎月報告する契約書類

工事履行報告書とは、工事の予定工程と実施工程(出来高の進捗率)を、受注者が発注者へ毎月報告する契約書類です

公共工事では、発注者が現場に常駐しなくても進み具合を把握できるよう、月ごとの予定と実績を % で対比する様式が広く使われています。書き方の骨格は次の記入例のとおりです(% は例示値)。

項目記入例
工事名◯◯線道路改良工事
工期2026年4月1日〜2026年12月20日
報告月2026年7月分
予定工程(%)45
実施工程(%)42
備考7/10〜12 降雨により土工中断(3 日)

提出の根拠は約款第 11 条 — 様式と頻度は発注者の設計図書で決まる

提出の根拠は、公共工事標準請負契約約款の第 11 条(履行報告)です。条文は「受注者は、設計図書に定めるところにより、この契約の履行について発注者に報告しなければならない」と定めています(公共工事標準請負契約約款 第 11 条・国土交通省・2026-08-14 確認。令和 7 年 12 月改正の新旧対照表にも第 11 条の変更はありません)

ポイントは「設計図書に定めるところにより」という書き方です。報告の義務は約款で決まり、様式・頻度・期限は発注者ごとの設計図書(共通仕様書・特記仕様書・提出書類要領)で決まります

様式名や提出期限が発注者によって違うのはこのためです。受注した工事の要領を確認するのが出発点になります。

記載項目 6 つと書き方

記載項目は「工事名・工期・報告の月分・予定工程(%)・実施工程(%)・備考」の 6 つが基本形です。書き方のポイントは 3 つあります。

  • 予定工程は当初の工程表から転記する: 提出済みの実施工程表(工程曲線)の月末時点の値と一致させる。工程を変更した場合は変更後の計画で書く
  • 実施工程は月末時点の実績で書く: 算出のしかたは次の節のとおり。予定の丸写しにしない
  • 備考欄は「日付 + 理由」をセットで書く: 予定と実績がズレたときに「7/10〜12 降雨により土工中断」のように、いつ・何があったかを具体的に残す

予定と実績の乖離は、隠すものではなく報告するものです。日付と理由が書いてあれば発注者側は遅延の原因を把握でき、工期や工程の協議もその記録が起点になります。

備考欄の事実(天候・中断日数・資材待ち)を現場日報の書き方の型で当日に残せば、月末の記入は転記だけです。

実施工程(出来高%)はどう算出する?日々の実績記録から積み上げる

実施工程の % は、月末に「どの作業がどこまで終わったか」を工種ごとに集計し、工事全体に対する出来高の割合として算出します。当日の記憶だけで月末にまとめて思い出すことはできないため、実務の型は次のサイクルになります。

工事履行報告書の月次サイクル。日々の日報に作業実績と数量を記録 → 月末に数値を集計 → 実施工程%を算出して報告書へ転記 → 発注者(監督職員)へ提出

  • 日々の日報に、工種ごとの作業内容と数量(施工延長・打設量・搬入量など)を記録する
  • 月末に当月分の数量を集計し、工種ごとの進捗を出す
  • 工種ごとの進捗を工事全体の構成比に掛け合わせて、実施工程(%)を算出・転記する
  • 発注者(監督職員)へ提出する

「工種ごとの進捗を工事全体の構成比に掛け合わせる」の中身は、次のような計算です。構成比・進捗は例示値で、冒頭の記入例と同じ 2026 年 7 月分・実施工程 42% の内訳にあたります。

工種全体の構成比7 月末の進捗寄与(%)
土工30%90%27.0
擁壁工25%30%7.5
舗装工20%0%0.0
排水工15%20%3.0
仮設工10%45%4.5
合計100%42.0(= 実施工程 42%)

構成比は請負代金内訳書や実施工程表の金額割合を使うのが実務的です。工種ごとの進捗は、当月末までの実数量(施工延長 120m のうち 108m 完了 = 90% など)を計画数量で割って出します。

工種の節目ごとに監督職員が確認する段階確認書の記録も、この進捗を裏づける材料になります。

記録先は紙でも表計算でも構いません。ただ、スマホから 15 秒で提出できる日報アプリの直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)に工種ごとの数量項目を置いておくと、日々の累計がそのまま % の裏づけになります。

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報告書そのものに細かい内訳の添付を求めない発注者もあります。中部地方整備局の土木工事書類作成提出要領(平成 22 年 4 月)では、工事履行報告書は所定様式で提出し添付資料は不要です。

ただし監督職員が内容の詳細確認を求めた場合は、実施工程表や詳細な出来高内訳等を提示しなければなりません(中部地方整備局 土木工事書類作成提出要領・2026-08-14 確認)。つまり提出は 1 枚でも、% の裏づけになる日々の記録は求めに応じて示せる状態にしておく必要があります。

提出時期・様式は発注者ごとに違う【実例】

様式名・提出期限・運用は発注者ごとに異なるため、必ず当該工事の提出書類要領・設計図書で確認してください。実例を並べると違いがわかります。

発注者様式・運用の例
福島県第 8 号様式その 3。提出期限は「毎月」、根拠は約款第 11 条と明記(福島県 県発注工事における提出書類・2026-08-14 確認)
東京都建設局土木用・建築用で別様式。作成見本つきで、提出書類一覧では「中間前払」の区分に配置(東京都建設局 受注者等提出書類・2026-08-14 確認)
中部地方整備局所定様式で提出・添付資料は不要(詳細確認を求められた場合は出来高内訳等を提示)(前掲 要領)

提出期限を「毎月◯日まで」と具体的に定める発注者もありますが、日付は要領ごとに異なります。月次報告という点では、週休2日工事の月間現場閉所報告書と同じく、日々の記録が原本になります。

中間前払金の認定資料になる — 実施工程 50% 以上などの要件

工事履行報告書は、中間前払金(中間前金払)を請求するときの認定資料としても使われます。例えば東近江市の中間前金払制度は、認定の条件として次の 5 つを挙げています(東近江市 中間前金払制度・2026-08-14 確認)

  • 前払金を受けていること
  • 部分払を受けていないこと
  • 工期の 2 分の 1 を経過していること
  • 工程表により工期の 2 分の 1 までに実施すべき作業が行われていること
  • 工事履行報告書の実施工程の報告が 50% 以上であること

同市は「工事の進捗の確認は出来高検査を要しません。請負者からの履行報告書により確認します」としています(同)。検査に代えて履行報告書で進捗を見る運用では、毎月の報告が資金繰りに直結します。

部分払(既済部分検査)のときは別の書類が要ります。福島県では工事出来高報告書(第 27-2 号様式)を「既済部分検査前」に提出することとされています(前掲 福島県)。

履行報告は約款第 11 条、部分払は約款第 38 条と、根拠条文も書類の役割も異なります(前掲 約款)。中間前払金の対象金額・割合・要件の細部は発注者ごとに違うため、当該発注者の制度ページで確認してください。

よくある質問

Q1. 工事日誌(工事日報)とは何が違うのですか?

役割と出番が違います。福島県の提出書類一覧では、工事履行報告書(第 8 号様式その 3)は毎月「提出」する書類、工事日誌(第 32 号様式)は完成検査のときに「提示」する書類です(前掲 福島県)。

日誌は日々の施工の記録そのもの、履行報告書はそれを月次の % に要約した報告、という関係です。

Q2. 民間工事でも工事履行報告書は必要ですか?

契約によります。約款第 11 条に相当する履行報告の定めが契約書・約款にあるか、発注者が月次報告の様式を定めているかで決まります。

公共工事のような統一様式がない場合でも、月次の進捗報告を求められる契約はあります。

Q3. 中間前払金は工期のどの時点から請求できますか?

工期の 2 分の 1 を経過し、実施工程の報告が 50% 以上になってからです(東近江市の例・前掲)。冒頭の記入例(工期 2026 年 4 月 1 日〜12 月 20 日 = 264 日)では、132 日目の 8 月 10 日を経過した 8 月 11 日以降が「2 分の 1 を経過した」状態です。

ただし 7 月分の実施工程 42% の時点では、50% 以上の要件をまだ満たしません。

まとめ: 次にやること

  • 受注工事の提出書類要領・設計図書で、様式と提出期限を確認する
  • 工種ごとの作業実績と数量を日々の日報に残し、月末に集計して実施工程(%)を出す
  • 予定との乖離は備考欄に「日付 + 理由」で残し、中間前払金を使うなら発注者の認定要件を確認する

2 番目は月末にまとめてやると崩れます。工種ごとの実数量を、施工した日のうちに書き留める先が要ります。

紙でも表計算でもできますが、直感日報が担うのは日々の記録・数値集計・CSV エクスポートまでです。報告書の様式作成、実施工程(%)の自動算出、発注者への提出、勤怠管理・打刻・賃金計算はできません。

その範囲でも、施工延長や打設量などの数値項目は設定ゼロで自動集計されます。CSV でひと月分を一覧にすれば、報告書への転記や出来高内訳の提示を求められたときの照合原本になります。

数値集計の仕組みは日報の集計を自動化する記事にまとめました。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。工事履行報告書の様式・提出時期・中間前払金の要件は発注者ごとに異なります。実際の工事では当該工事の契約書・設計図書・提出書類要領と現場ルール・関係法令を優先し、疑義は監督員・発注者にご確認ください。