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作業日報の保存期間は何年?|労働基準法の根拠と建設業の例外

公開日:  最終更新日:  直感日報 編集部

作業日報の保存期間は何年?|労働基準法の根拠と建設業の例外

作業日報を名指しで「何年保存せよ」と定める法律はありません。労働時間の記録を含む日報は労働基準法 109 条の 5 年(当分の間は 3 年)の対象になり得るので、社内ルールは 5 年で揃えるのが安全側です。

この記事でわかること
- 3 年は附則 143 条の経過措置。本則は 5 年で「当分の間」の終期は未定
- 起算日は「記録の完結の日」。賃金の支払期日が後ならその支払期日(労基則 56 条)
- 「労働者が自ら労働時間を記録した報告書」も 109 条の対象例(厚労省 Q&A)
- 建設業の帳簿は 5 年、営業に関する図書は 10 年でどちらも引渡し日起算(施行規則 28 条)
- 作業日報そのものは建設業法の帳簿でも図書でもない

作業日報の保存期間は何年?——結論と早見表

作業日報の保存期間は、労働時間の記録を含む場合は労働基準法 109 条の 5 年(当分の間は 3 年)、建設業の帳簿に関わる場合は 5 年(発注者と結んだ住宅の新築工事は 10 年)が目安です

保存期間とは、法令が書類ごとに定める「廃棄せずに備えておかなければならない期間」のことです。作業日報は複数の法令の対象に「なり得る」書類なので、年数と起算日を並べて押さえるのが近道です。

書類・場面根拠保存期間起算日
労働時間の記録を含む書類(出勤簿・自己申告の実働報告など)労働基準法 109 条・附則 143 条、労基則 56 条5 年(当分の間は 3 年)記録の完結の日。賃金の支払期日が後ならその支払期日
建設業の帳簿と添付書類建設業法 40 条の 3・施行規則 28 条 1 項5 年(発注者と結んだ住宅の新築工事は 10 年)工事目的物の引渡しの日(債権債務が消滅したときはその日)
建設業の営業に関する図書(完成図・打合せ記録・施工体系図など)建設業法 40 条の 3・施行規則 26 条 5 項、28 条 2 項10 年工事目的物の引渡しの日
作業日報そのもの名指しの規定なし記載内容が上記に当たるかで判断該当する規定に合わせる

作業日報の保存期間の早見図。労働時間の記録を含む日報は労働基準法109条で5年(当分の間は3年)、建設業の帳簿は5年(住宅新築は10年)、営業に関する図書は10年で引渡し日起算、日報を名指しする規定はない

作業日報の保存を義務付ける法律はある?

「作業日報」という書類名を挙げて作成や保存を義務付ける法律はなく、記載内容によっては労働基準法第 109 条の「その他労働関係に関する重要な書類」に該当します

労働基準法第 109 条は、次のように定めています。

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。(労働基準法第 109 条、e-Gov 法令検索・2026 年 8 月 21 日確認)

「その他労働関係に関する重要な書類」の例は、厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」(令和 2 年 4 月 1 日)にあります(同 Q&A・2026 年 8 月 21 日確認)。「出勤簿、タイムカード等の記録」に加え、「労働者が自ら労働時間を記録した報告書」が挙げられています。

出面や実働時間が書かれた作業日報は、これに当たり得る書類です。逆に、作業内容のメモや所感だけで労働時間の記録を含まない日報なら、第 109 条の対象とは言い切れません。

現場系の日報は人員と実働をセットで書くのが普通なので、該当する前提で保存ルールを決めておくのが実務的です。項目設計の基本は現場日報の書き方にあります。

保存期間は 3 年と 5 年どちらが正しい?——説が割れる理由

3 年説と 5 年説はどちらにも条文の根拠があり、本則第 109 条の「5 年間」を附則第 143 条の経過措置が当分の間「3 年間」と読み替えているだけです

附則第 143 条は次のとおりです。

第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。(労働基準法附則第 143 条、e-Gov 法令検索・2026 年 8 月 21 日確認)

2020 年(令和 2 年)4 月 1 日施行の改正で、賃金請求権の消滅時効が 2 年から 5 年(当分の間は 3 年)へ延びました。これに合わせ、記録の保存期間も 3 年から 5 年(当分の間は 3 年)に延長されています(前掲 厚労省 Q&A)。

  • 本則: 5 年間(2020 年 4 月 1 日以降)
  • 経過措置: 当分の間は 3 年間。この「当分の間」の終期は決まっていません

記事によって 3 年・5 年が割れるのは、この二段構えのどちらを取り上げたかの違いです。社内の廃棄ルールは、経過措置の終了にそのまま備えられる「5 年」で揃えるのが安全側です。

保存期間はいつから数える?——起算日は「記録の完結の日」

保存期間の起算日は「書いた日」ではなく「記録の完結の日」で、賃金の支払期日が完結の日より遅い場合はその支払期日から数えます

労働基準法施行規則第 56 条第 1 項第 5 号は「賃金その他労働関係に関する重要な書類については、その完結の日」を起算日と定めます(e-Gov 法令検索「労働基準法施行規則」・2026 年 8 月 21 日確認)。同条第 2 項は「当該記録に係る賃金の支払期日が……掲げる日より遅い場合には、当該支払期日を起算日とする」としています。

たとえば月末締め・翌月 25 日払いの会社で 4 月分の綴りなら、起算日は 4 月 30 日ではなく 5 月 25 日で、そこから 5 年(当分の間 3 年)を数えます。綴りを月単位でも工事単位でも引ける形にしておくと、この起算日の管理が楽になります(出面そのものの集め方は出面管理アプリの選び方にあります)。

紙の綴りでも表計算でも構いませんが、スマホから 15 秒で提出できる日報アプリの直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)に貯めた日報は、現場名やキーワードで検索できます。月単位でも工事単位でも引き出せます。

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建設業の作業日報は何年保存する?——帳簿 5 年・図書 10 年との関係

建設業では、建設業法第 40 条の 3 が営業所ごとの帳簿の備え付けと、帳簿および営業に関する図書の保存を義務付けています(e-Gov 法令検索「建設業法」・2026 年 8 月 21 日確認)

期間と起算日は、施行規則第 28 条が請け負った建設工事ごとに定めています(e-Gov 法令検索「建設業法施行規則」・2026 年 8 月 21 日確認)

  • 帳簿と添付書類(28 条 1 項): 5 年。起算日は工事目的物の引渡しをしたとき(請負契約に基づく債権債務が消滅した場合はその消滅時)。発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものは 10 年
  • 営業に関する図書(28 条 2 項): 10 年。起算日は工事目的物の引渡しをしたとき
  • 図書として残す範囲は立場で変わる(26 条 5 項): 発注者から直接請け負った建設業者(作成建設業者を除く)は完成図・打合せ記録・材料費等記載見積書(作成した場合)・その見積書の打合せ記録。法 24 条の 8 第 1 項により施工体制台帳を作成する建設業者(作成建設業者)はこれに施工体系図を加えた 5 種類。それ以外の建設業者は見積書関係の 2 種類のみ

帳簿には工事の名称・現場所在地、契約日、検査完了日、引渡し日などを記載します(26 条 1 項 2 号)。日々の施工記録を検査・引渡しの日付と突き合わせられる形にしておくと転記が楽です(施工途中の確認記録の型は段階確認書の記入例にあります)。

作業日報そのものは、この帳簿でも図書でもありません。ただし検査・引渡しの事実や下請との出面精算を日次で裏づける記録として、引渡し後に参照されることがあります。

そのため施工の現場では、作業日報も帳簿と同じ 5 年で揃え、工事単位のものは引渡し日を基準に整理する運用が実務的です。労基法側は「賃金支払期日」、建設業法側は「引渡し日」と起算点が違います。

作業日報の保存でよくあるつまずき

つまずきの多くは、期間そのものより「数え方」と「保存の形」に集中します

  • 「3 年たったら廃棄」を固定ルールにしている — 3 年は経過措置の数字で、本則は 5 年です。終期が未定のまま 3 年で固定すると、見直しのたびにルールを作り直すことになります
  • 起算日を「書いた日」で数えている — 完結の日・賃金支払期日基準では、保存終了は書いた日基準より後ろにずれます。綴り単位で「対応する賃金支払日 + 5 年」と整理すると確実です
  • 紙の綴りのまま 5 年分を抱えている — 「先々月の◯◯現場の日報」を探すだけで時間がかかり、保存義務は果たせても記録として使えない状態になりがちです。数値の再利用まで考えるなら、日報集計の自動化の「入力の時点でデータとして持つ」形が近道です
  • 廃棄のしかたが雑になっている — 作業日報には氏名や実働時間などの個人情報が含まれます。期間を過ぎた廃棄は、裁断や溶解処理など中身が読めない形で行うのが基本です

よくある質問

Q. 保存期間を過ぎた作業日報は廃棄してもいいですか?
A. 法令上の保存義務は期間の満了で終わるため、廃棄すること自体は問題ありません。処分は前述のとおり中身が読めない方法で行い、作業ノウハウとして期間経過後も検索できる形で残す判断もあります。

まとめ: 次にやること

  • 今の日報綴りに「対応する賃金支払日 + 5 年」の廃棄予定を書き入れる
  • 工事単位の綴りは引渡し日を基準に整理し、帳簿と同じ 5 年に揃える
  • 5 年分を「先々月の◯◯現場の日報」で引き出せる置き場(綴り・表計算・日報アプリ)を決める

3 番目を続けるには、書いた日報がそのまま探せる形で貯まっていくことが要ります。

直感日報の場合は、スマホから提出した日報がそのままデータとして蓄積され、現場名やキーワードで検索できます。数値は設定ゼロで自動集計され、CSV で手元に書き出せます(使い道は日報 CSV エクスポートにあります)。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、法的助言ではありません。保存義務の個別の判断は、各社の社内規程・取引先との契約と関係法令を優先し、必要に応じて社会保険労務士・行政書士等の専門家にご確認ください。