交通誘導警備員勤務実績報告書の書き方|記入例とA・Bの違い
公開日: 最終更新日: 直感日報 編集部

交通誘導警備員勤務実績報告書は、配置した日ごとに 1 行を起こし、月計・工事計に積み上げる書類です。8 欄のうち 7 つは「その日の現場」でしか埋まらず、月末に振り返って書けるものではありません。
この記事でわかること
- A は一級・二級検定合格警備員、B はそれ以外(労務単価は 2,162 円差)
- 検定合格者の配置義務は高速自動車国道・自動車専用道路と公安委員会指定の道路
- 義務の主語は「警備業者は」(警備業法 18 条)。合格証明書は従事中に携帯・提示
- 延勤務時間は「配置人員 × その日の勤務時間」、工事計は当月までの合計
- 計画は月単位でもよいが、実績は日単位(松山市)
交通誘導警備員勤務実績報告書とは — 配置人員と勤務時間を 1 日 1 行で記録する書類【記入項目 8 つ】
交通誘導警備員勤務実績報告書とは、配置した警備員の人数・勤務時間・その日の作業工種を 1 日 1 行で記録し、月ごとに集計して監督員へ提出する書類です。受注者と警備会社の連名で出す様式が使われ、計画と実績を 1 枚に兼ねる「配置(計画・実績)表」を使う発注者もあります。
様式は、工事名・施工箇所・検定合格者の配置の義務づけ(有・無)のヘッダと、次の 8 つの欄を持つ日次の表です。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 月日 | 交通誘導警備員を配置した日 |
| 勤務時間 | その日の勤務の開始と終了(例: 08:00〜16:00) |
| 交通誘導警備員A 配置人員(人) | その日に配置した A の人数 |
| 交通誘導警備員A 延勤務時間(h) | A の配置人員 × その日の勤務時間 |
| 交通誘導警備員B 配置人員(人) | その日に配置した B の人数 |
| 交通誘導警備員B 延勤務時間(h) | B の配置人員 × その日の勤務時間 |
| 交代要員 | 有・無 |
| 交通誘導警備員勤務時の主な作業工種 | その日に現場で行っていた作業(例: 掘削工) |
表の下には月計と工事計の行があり、工事計には当月までの合計を書きます(徳島市 令和 6 年 4 月版・牟岐町 様式 1・2026-08-18 確認)。
7 つの欄は「その日の現場で起きたこと」で、最後の欄は日報の作業内容欄そのものです。数えるのは警備会社に委託した警備員の配置実績で、自社・協力会社の作業員の出面とは対象が別です(出面側は出面管理の記事へ)。
交通誘導警備員 A と B の違いは検定合格の有無 — 令和 8 年 3 月適用の労務単価で 2,162 円差
交通誘導警備員 A は交通誘導警備業務の一級・二級検定合格警備員、B はそれ以外の交通の誘導に従事する警備員です。様式で列が分かれているのは、国土交通省の職種定義がこの 2 つを書き分け、公共工事設計労務単価も別に設定されているからです。
| 職種 | 定義 | 全国平均(加重平均) | 前年度比(単純平均) |
|---|---|---|---|
| 交通誘導警備員A | 交通誘導警備業務に係る一級・二級検定合格警備員 | 18,911 円 | +5.8% |
| 交通誘導警備員B | A 以外の交通の誘導に従事する警備員 | 16,749 円 | +6.7% |
| (参考)全国全職種 | 51 職種全体 | 25,834 円 | +4.5% |
差は 2,162 円です。単価は令和 7 年度の公共事業労務費調査(有効標本数 85,670 人)に基づき、令和 8 年 3 月から適用されます(国土交通省「令和 8 年 3 月から適用する公共工事設計労務単価について」 令和 8 年 2 月 17 日・2026-08-18 確認)。
全職種の加重平均は 14 年連続の引き上げで、初めて 25,000 円を超えました。A・B の区分は平成 19 年度からです。
ただし所定労働時間内 8 時間当たりの金額です。時間外・休日・深夜の割増賃金や、現場管理費・一般管理費等の諸経費は含まれていません(同資料に「建設会社や警備会社に必要な諸経費…は、含まれていない」と明記)。
では、単価の高い A(検定合格警備員)は、どんな場所で配置が義務になるのでしょうか。
検定合格警備員の配置が義務になる場所 — 高速自動車国道・自動車専用道路と、公安委員会が必要と認める道路
配置が法令上の義務になるのは、①高速自動車国道・自動車専用道路と、②道路または交通の状況により都道府県公安委員会が必要と認める交通誘導警備業務です。いずれも「交通誘導警備業務を行う場所ごとに、一人以上」です。
根拠は警備業法第 18 条と、種別・人数を具体化した「警備員等の検定等に関する規則」です。同規則は第 1 条第 4 号で交通誘導警備業務を「工事現場その他人又は車両の通行に危険のある場所における……業務(交通の誘導に係るものに限る。)」と定義しています。
上の 2 つは第 2 条の表の五・六に挙がっています(警備業法・検定規則・e-Gov・2026-08-18 確認)。押さえておきたい点は 3 つです。
- 義務は警備業者にかかる(第 18 条の主語は「警備業者は」)。元請が負うのは、発注者の仕様書に基づく証明書の提出と監督員との協議です
- 一級・二級のどちらでも配置要件は満たす(規則第 2 条の表が「一級又は二級」と定める)
- 合格証明書は従事中の携帯・提示が必要(規則第 3 条)
②の路線・区域は各都道府県公安委員会が指定するもので、全国一律のリストはありません。該当するかは発注者と所轄警察署に確認してください。
徳島市の様式にヘッダ欄「検定合格者の配置の義務づけ 有・無」があるのは、この判定が工事ごとに変わるためです。
勤務実績報告書の書き方【記入例】— 1 日 1 行を月計・工事計に積み上げる
警備員を配置した日ごとに 1 行を起こし、勤務時間・A/B 別の配置人員と延勤務時間・交代要員の有無・主な作業工種を埋めて、月計と工事計に積み上げます。
牟岐町の様式には記載例 08:00〜16:00 / A 1 人 8h / B 2 人 16h / 交代要員 無 / 掘削工 があります。これを下敷きに 2 日分と月計まで書くとこうなります(数値は例示値)。
| 月日 | 勤務時間 | A 配置人員 | A 延勤務時間 | B 配置人員 | B 延勤務時間 | 交代要員 | 主な作業工種 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/17 | 08:00〜16:00 | 1 人 | 8h | 2 人 | 16h | 無 | 掘削工 |
| 8/18 | 08:00〜17:00 | 1 人 | 9h | 2 人 | 18h | 有 | 管布設工 |
| 月計 | — | 2 人 | 17h | 4 人 | 34h | — | — |
記入で迷いやすい点は 6 つです。
- 延勤務時間は「配置人員 × その日の勤務時間」。記載例の
B 2 人 16hは 2 人 × 8 時間の意味です - 配置人員の月計は延人員(日ごとの人数の合計)。牟岐町の様式は表紙側で A・B の延人員と延勤務時間を受け取ります
- 工事計は当月までの合計(徳島市の様式が工事計欄に「当月までの合計を記載」と注記)
- 作業工種の欄はその日の現場作業。松山市の配置(計画・実績)表は備考欄を「交通誘導警備員が必要な工種等を記入すること」としています
- 検定合格警備員を配置した日は氏名を残す。松山市は計画表に検定合格警備員一覧表(氏名・会社名・1・2 級の別・合格証明書番号)を添付し、実績表の備考欄に氏名を書かせています(松山市・2026-08-18 確認)
- 計画は月単位でもよいが、実績は日単位(松山市「計画時は、月単位で記入してもよい」)
1 行の材料は、その日の現場にしかありません。置き場になるのは、直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)のようにスマホから 15 秒で提出できる日報です。
配置人員と作業工種の項目を置いておけば、月末に手帳や写真をさかのぼる手作業を減らせます。
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提出のタイミングと添付資料は法令ではなく発注者の仕様書で決まり、「毎月末集計・翌月 10 日まで」「設計図書の変更まで」「工事完了時」とばらつきます。
| 発注者 | 提出のタイミング | 添付・記載の要求 |
|---|---|---|
| 徳島市 | 毎月月末に集計し、翌月 10 日までに監督員へ | 勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し)を添付 |
| 牟岐町(徳島県) | 別紙で各月ごとに勤務実績を整理し、本様式に添付のうえ「設計図書の変更」までに監督員へ | 勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し等)を添付 |
| 松山市 | 配置(計画・実績)表として計画時と実績で提出 | 検定合格警備員を配置する場合、計画表に検定合格警備員一覧表を添付し、実績表の備考欄に氏名を記載 |
| 今治市 | 工事完了時に雇用実績様式(交通整理員勤務実績表)を提出 | 実施状況写真と併せて監督員へ。配置に先立ち「検定合格警備員証明書」に合格証の写し等を添付して提出し、配置人員・配置位置・配置期間等を監督員と協議(変更時も同様) |
今治市のように完了時にまとめて出す運用でも、配置のたびに証明書の提出と監督員との協議は入ります(今治市「検定合格警備員の配置に関する特記仕様書」平成 30 年 7 月・2026-08-18 確認)。
根拠として引かれる共通仕様書の条項番号も、発注者ごとに違います。愛媛県は様式 28・28-1(配置表と検定合格警備員一覧表)を共通仕様書 第 1 編 1-1-1-32 に紐づけています(愛媛県「請負工事に用いる帳票様式」平成 30 年 7 月・2026-08-18 確認)。
今治市は同趣旨の規定を「第 1 編 1-1-36 安全対策」として引いています。条項番号を他工事から流用せず、その工事の特記仕様書と提出書類一覧を確認してください。
実施状況写真の残し方は工事写真の管理の記事にあります。
配置実績が設計変更・実績精算の根拠になる
当初設計より警備員を増やした、確保が難しくて遠方から呼んだ、といった変化があったとき、設計変更や実績精算の根拠になるのが配置の計画書と実績です。
国土交通省 九州地方整備局の設計変更ガイドライン(案)が挙げる事例は、躯体工事で生コン車の通行が頻繁になるのに、当初の設計図書に交通誘導警備員の計上がなかったというものです。
受注業者は確認を要請して交通量調査を行い、打設予定日・打設箇所・配置人数を並べた交通誘導警備員配置計画書(合計 32 人)を作成しました。発注者は協議に基づいて、特記仕様書・交通誘導警備員・交通量調査を計上しています(同ガイドライン 令和 2 年 5 月・2026-08-18 確認)。
必要資料は「交通誘導警備員配置図、配置計画」です。契約書第 19 条の具体例にも「隣接工事との調整で、交通誘導警備員の人数を変更する」があります。
一方で、同ガイドラインは設計変更ができないケースも明示しています。条件明示のない事項を協議せず独自判断で施工した場合、協議の回答がない時点で施工した場合、口頭のみの指示・協議など書面によらない場合です。
増えた人数を後から主張するのではなく、協議と書面が先に立ちます。
確保が難しい地域向けに、徳島県は「交通誘導警備員の確保に要する間接費の実績変更の運用基準」を置いています。現場から警備業者の営業所までの片道距離が 30km 以上などの 3 要件を満たす工事等が対象です(徳島県・2026-08-18 確認)。
受注者が実績報告書(様式 1)と内訳を提出して協議し、最終精算変更時点で設計変更する仕組みです。
いずれの経路でも、出発点は「いつ・何人・どこに・どの工種の作業で配置したか」を書面で示せることです。日々の数量を月ごとに積み上げる構図は出来高報告書の書き方の記事と同じです。
よくある質問
Q1. 交通誘導警備員 A と B はどちらで積算されますか?
工事の設計と特記仕様書によります。実績が設計と違ってきたときは監督員と協議します。
Q2. 交代要員の欄は何のためにありますか?
交代要員の配置状況を「有・無」で記録する欄です。徳島市・松山市・今治市の様式はいずれも同じ列を持ち、配置人員・勤務時間と並ぶ実績項目になっています。
Q3. 勤務伝票は誰が出すのですか?
警備会社です。徳島市と牟岐町の様式は「勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し)」の添付を求めています。受注者は自分の記録と突き合わせて様式に転記します。
Q4. 民間工事でも必要ですか?
本書類は発注者の仕様書に基づく提出書類で、実務としては公共工事の運用です。民間工事で同じ様式が要るかは契約によります。ただし検定合格警備員の配置義務(警備業法第 18 条・検定規則第 2 条)は場所と交通の状況で決まるため、公共・民間の区別なくかかります。
まとめ: 次にやること
- 特記仕様書で、提出時期・添付資料・引かれる条項番号を確認する
- 配置した日ごとに、配置人員・勤務時間・作業工種を 1 行で残す
- 月末に月計・工事計へ積み上げ、勤務伝票の写しと突き合わせて監督員へ出す
2 番目を毎日続けるには、配置人員と作業工種を書き留める場所が現場にあることが要ります。手帳や表計算でも構いませんが、月末の転記と勤務伝票との突合が手作業で残ります。
直感日報が担うのは、日々の記録・数値集計・CSV 出力までです。配置人員(人)・延勤務時間(h)などの数値項目は設定ゼロで集計され、CSV で期間分を一覧にすれば転記と突合の照合原本になります(日報の集計を自動化する記事・CSV エクスポートの記事)。
様式の自動作成、延勤務時間の自動計算、勤務伝票の発行・取り込み、監督員への提出、設計変更の協議、勤怠管理・打刻・賃金計算はできません。配置要否の判断や勤務伝票の内容は、元請・警備会社・所轄警察の責任で決まるものです。
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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。交通誘導警備員勤務実績報告書・配置(計画・実績)表の様式・提出時期・添付資料は発注者ごとに異なり、検定合格警備員の配置要否の判断は元請・警備会社・所轄警察の責任で行うものです。実際の工事では当該工事の契約書・特記仕様書・提出書類要領と現場ルール・関係法令を優先し、疑義は監督員・発注者・所轄警察署にご確認ください。