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建退共の就労日数の記録方法|就労状況報告書と年252日の基準

公開日:  最終更新日:  直感日報 編集部

建退共の就労日数の記録方法|就労状況報告書と年252日の基準

建退共の就労日数は、日々の出面・日報で「誰が・どの現場に・何日働いたか」を残し、そこから月次の報告や証紙貼付に集計します。掛金充当も履行証明も、月末に思い出して書く数字ではなく、この日々の記録の積み上げです。

この記事でわかること
- 退職金は証紙 24 月分以上(21 日分 = 1 か月換算)で支給される
- 履行証明(経審用)の就労日数基準は年 252 日(月 21 日 × 12 か月)
- 入札参加資格審査用は直近 3 か月で 1 人あたり 63 日分程度の納付
- 関係書類は工事完成後 1 年間保存(電磁的記録可)。新規加入は証紙 50 日分の補助
- 共済手帳受払簿の「現場就労日数」は掛金充当日数の合計ではない(様式第 029 号)

結論: 建退共の就労日数は「日々の出面・日報」が記録の起点

証紙を貼るのも、電子申請で就労実績を報告するのも、月末にまとめて思い出しながら書くのではなく、日々の出面・日報から日数を拾うのが正確で速い方法です

建退共とは?就労日数の記録がなぜ大事か

建退共(建設業退職金共済制度)は、労働者がいつ・どの現場で働いても、働いた日数分の掛金が全部通算されて退職金になる制度です。退職金は、共済手帳に貼付された共済証紙が 24 月分(21 日分を 1 か月と換算)以上になった労働者に支給されます(厚生労働省 政策レポート「建設業退職金共済制度」・2026-08-08 確認)

つまりこの制度は、就労日数がそのまま労働者の退職金の原資に変わる仕組みです。記録が漏れれば、その分だけ労働者が将来受け取る退職金が減ります。

事業者側にも、公共工事の入札に関わる経営事項審査(経審)で建退共に「加入し履行している」場合に加点評価される意味があります(同・厚労省)。履行を証明できる記録を残すことが実務上の要件です。

新たに加入した労働者には、共済手帳の最初の交付時に証紙 50 日分が国から補助されます(同・厚労省)。

同じ「現場で働いた 1 日」を根拠にする仕組みには、建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴もあります。建退共は、CCUS から就業履歴を CSV ファイルで出力して就労実績ツールに取り込む手順を公式マニュアルとして公開しています(建設業退職金共済事業本部「電子申請方式関係の各種マニュアル」・2026-08-21 確認)

CCUS 側の登録実務は建設キャリアアップシステムの就業履歴の登録方法の記事にあります。

就労日数の記録が使われる 3 つの場面

就労日数の記録は、①毎月の掛金充当(証紙貼付/電子申請)②元請への就労状況報告 ③決算後の加入・履行証明、の 3 か所で使われます

とくに公共工事では、元請は毎月、下請から「被共済者就労状況報告書(日別報告様式)」の提出を受けて対象労働者の就労日数を把握することになっています(建退共本部「元請としてやること」・2026-08-08 確認)。掛金充当実績報告書・就労状況報告書などの関係書類は、工事完成後 1 年間の保存が求められます(電磁的記録による保存も可・同ページ)。

下請から日別の報告を毎月そろえる段取りは職人・協力会社の報告共有の記事に書いています。

加入・履行証明の手続きで使う共済手帳受払簿(様式第 029 号)には「決算期間中の現場就労日数(掛金納付対象日)」を書く欄があります。建退共本部はこの欄について「証紙貼付枚数や退職金ポイントによる掛金充当日数の合計ではない」と注意しています(建退共本部「加入・履行証明に関する様式」・2026-08-08 確認)

現場に出た日数と、掛金を充当した日数は別々に管理する必要がある、ということです。

証紙貼付方式と電子申請方式の違い

掛金の納付には、共済証紙を手帳に貼る従来の方式と、就労実績をオンラインで報告して掛金を充当する電子申請方式の 2 系統があります。法律上の原則は「賃金を支払う都度、退職金共済手帳に退職金共済証紙を貼り付け、これに消印する」方式です。

電子申請方式は、事業者が電子情報処理組織を使って「被共済者の就労の実績を機構に報告する」ことで、現金納付に代えられる仕組みとして法定されています(中小企業退職金共済法 44 条・e-Gov 法令検索・2026-08-08 確認)

どちらの方式でも、入力・記入する中身は同じ「労働者ごとの就労日数」です。電子申請方式では月ごとの就労実績報告がそのまま掛金充当につながるため、日数の集計が毎月きちんと締まっていることが前提になります。

月次で締まる集計は、日次の記録が現場でその日に付いているかで決まります。

置き場は、直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)のようにスマホから 15 秒で提出できる日報でも構いません。現場ごとの就労を数値項目で置けば、労働者別・現場別の日数がそのまま集計されます。

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覚えておく数値基準の早見表

建退共の実務で繰り返し出てくる日数・期間の基準は、次の 5 つを押さえれば十分です

場面基準
退職金の受給資格証紙 24 月分以上(21 日分 = 1 か月換算)
履行証明(経審用)の就労日数基準年 252 日(月 21 日 × 12 か月)
入札参加資格審査用の証明直近 3 か月で 1 人あたり 63 日分程度の納付
関係書類の保存工事完成後 1 年間(電磁的記録可)
新規加入者への国の補助共済手帳の初回交付時に証紙 50 日分

建退共の就労日数に関わる数値基準の早見。受給資格24月分・履行証明の年252日・入札用63日分・書類保存1年・新規加入50日分補助

年 252 日・63 日分の基準は、建退共が厚生労働省の業種別平均労働日数(月 21 日)をもとに設定しているものです(建退共神奈川県支部「加入・履行証明」・2026-08-08 確認)。証明書発行の細かな手続きや必要書類は支部により異なる場合があるため、実際の申請は所属の都道府県支部の案内に従ってください。

表の「保存 1 年」は、あくまで建退共の関係書類についての基準です。日報や作業記録そのものを何年残すかは別の枠組みで決まります(作業日報の保存期間の記事)。

日々の出面・日報から報告書までの実務手順

就労日数の集計を月末の記憶に頼らず回すには、「日次で記録 → 月次で集計 → 様式に転記」の 3 段階に分けるのが確実です

  • 日次: 現場ごとに「誰が出たか(出面)」をその日のうちに記録します。紙の出面帳でも日報でも構いませんが、記録者が現場にいるその日に付けるのが原則です
  • 月次: 労働者別・現場別に日数を集計します。電子申請方式ならこの集計が就労実績報告の中身に、証紙方式なら貼付枚数の突き合わせ元になります。元請から求められる就労状況報告書(日別)も、この集計から転記します
  • 決算期: 共済手帳受払簿・証紙受払簿と年間の就労日数を突き合わせ、共済手帳受払簿(様式第 029 号)の「決算期間中の現場就労日数(掛金納付対象日)」欄に被共済者ごとに記入します

数字で追うと分かりやすくなります。技能者 A さんが 6 月に甲現場へ 12 日、乙現場へ 9 日出たとすると、月次集計は現場別に 12 日と 9 日、労働者別の合計は 21 日です。

元請へ出す就労状況報告書は現場ごと・日別に書くため、甲現場分と乙現場分を分けて起票します。決算期には同じ数え方を 12 か月分積み上げ、受払簿の欄に記入する際に掛金を充当した日数をそのまま書き写さないのが、前述の混同を避ける分かれ目です。

紙の出面帳からアプリへ移すときの判断軸は出面管理アプリの選び方の記事にまとめてあります。

この運用は令和 6 年 4 月から少し楽になっています。年間就労日数が 250 日以下の労働者について、従来は出勤簿等の提出が必要でした。

新様式の共済手帳受払簿に「決算期間中の現場就労日数(掛金納付対象日)」を記入し、勤怠管理者氏名を自署すれば、出勤簿の提出が不要になりました(建退共秋田県支部・令和 6 年 4 月様式改定の案内・2026-08-08 確認)

裏を返せば、受払簿に書く就労日数の元データ(日々の記録)の正確さがこれまで以上に効くようになった、ということです。

つまずきやすいのは 3 つです。①現場就労日数と掛金充当日数を混同する ②下請からの就労状況報告書の回収が月末に間に合わない ③紙の出面帳から月次集計への転記でズレが出る。

いずれも「日次の記録が現場でその日に付いているか」に行き着きます。

よくある質問

Q1. 電子申請方式でも日々の記録は必要ですか?

必要です。電子申請方式は「被共済者の就労の実績を機構に報告する」ことで掛金を納付する仕組みです(中小企業退職金共済法 44 条)。

報告の元になる労働者ごとの就労日数の記録は、証紙方式と同じく欠かせません。

まとめ: 次にやること

  • 現場ごとの出面を、記録者が現場にいるその日のうちに付ける
  • 月次で労働者別・現場別に集計し、就労状況報告書と掛金充当に転記する
  • 決算期に受払簿の現場就労日数欄へ記入し、掛金充当日数とは分けて残す

1 番目を続けるには、事務所に戻ってから出面帳を付ける運用では間に合いません。紙でも表計算でも構いませんが、月次集計への転記が手作業で残ります。

直感日報は、建退共の様式作成や掛金の計算、打刻による勤怠管理や賃金計算はできません。受け持つのは、日報の数値項目に記録した現場ごとの就労を労働者別・現場別に設定ゼロで集計し、CSV で報告書や受払簿の転記元にするところまでです。

日報の数値集計の仕組みは日報集計の自動化の記事にまとめました。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。建退共の手続き・様式の個別の取り扱いは、建退共本部・所属の都道府県支部、または社会保険労務士等の専門家にご確認ください。